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結婚は大学を出てからと思っていたのですが彼は早いほうがいいと催促します学生結婚ということについて、先生はどうお考えでしょうか。私はいま大学三年生で、同じ大学内でも何人か学生結婚をしている人がいます。私自身は、結婚は大学を卒業して社会に出てからと考えていたのですが、半年前から交際している別の大学の四年生Ｓさんから最近プロポーズされました。彼は裕福な家の出で「人間は成年に達すればいつ結婚してもいいのだし、よい相手が見つかったらむしろ早いほうがいいんだ」と言います。そしてデートするたびに催促するのです。しかし、結婚生活の重荷を考えるとなかなか決心がつきません。結婚は男性も女性もある程度完成された人間になってこそ、という考えが私にはあるからなのです。友人の例を見てもシュウトメの問題や経済的な問題などで、かならずしもうまく行っているとは受け取れないのですが……。〈回答〉学生結婚は是か非か。これは、あくまでケース・バイ・ケースであって、一概に断定すべき問題ではありません。が、私の個人的な見解としては、どちらかと言えば不賛成です。その主なる理由は、①当事者が、まだ十分な配偶者選択眼を備えていないケースが多いこと、②結婚生活によって、学生本来の勉学・研鐙(けんさん) にプラスよりも、むしろマイナスがもたらされがちであること、③夫婦とも、いわば親のスネかじりで、自活力がないことにあります。あなたの場合にも右の三つの点が懸念されます。Ｓ君という男は、夫とするのに本当にふさわしい人物ですか。裕福な家の出身などということが人物（人柄・性格・能力）や結婚後の幸福を保証するものでないことは、あなたもよくおわかりでしょう。それどころか、苦労知らずのボンボンでは、いざというとき、たよりにならないということもあり得ます。「結婚は早いほどいい」などと、催促するところをみると、なんだかガツガツと飢えているような感じもします。そういう男に限って、結婚すると急速にネツがさめ、数年後には別の女性に目移り、といったコースをとりかねません。というわけで、Ｓ君に対して「結婚問題は在学中は熟慮、卒業後おもむろに諾否を決定」と、きっぱり保留宣言をするのが賢明と私は思います。それでもなお、しつこい場合には、交際を断つようお勧めします。こんなことで頭をいつぱいにして、元来、実りの多いはずの大学生生活を、たいした収穫なしにすごしてしまうのは、もったいないこと、損なことですからね。
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